サンタクロースってなんなんだ

インパルス(敬称略)の板倉(敬称略)のエッセイ(敬称略)を読んで, 少し疑問に思うことがある.
「サンタクロースってなんなんだ」

 

噛み砕こう.
インパルスの板倉のエッセイには, インパルスの板倉が子供の頃に親御(敬称略)から「サンタ(敬称略)はいない」と言われたときの体験が綴ってあった.

 

そこで私の中に生まれた疑問を以下にまとめる

1. サンタクロースが存在する利点
2. サンタクロースがいないと何が問題なのか
3. 本当にサンタクロースを信じているのは誰か

 

以上の疑問に対する私なりの回答をまとめる

1. サンタクロースが存在する利点
多くの場合, サンタクロースの存在は「良い子のための」という枕詞とともに子供に擦り込まれる.
子供にとってサンタクロースはまごうことなき神だ. 一般的に, 日本では親が子供をしつけるためのツールとして, サンタクロース神話が存在するように思える.

 

2. サンタクロースがいないと何が問題なのか
子供は存在しないおもちゃ配達の神の存在を頑なに信じる. (あえて強引に表現するが,) 都合の良すぎる誤った神話を疑えるほど子供は情報強者ではない. クリスマスに近づくにつれ, 親は子供の行動の軛として, 「サンタさん」という言葉を使う. 「さん」は子供にとっては「様」も同義である. 道徳心の刷り込みに, 「サンタさん」は最強クラスの強化子である. サンタさんを用いない教育者は, 新たな教育方針を模索する必要に迫られるのかもしれない.

 

3. 本当にサンタクロースを信じているのは誰か
子供はいずれ大人になるにつれ, 「サンタさん」の呪いを脱却する. 板倉のエッセイにはその過程が綴られていた. 本来倫理を知らぬ子供は, 親a.k.aサンタさんの導きによりクリスマスの度に高いモラルを獲得する. (もちろん, 子供のモラルの獲得要因がサンタさん経由のみではないことは言うまでもない.)
これは正しいことなのだろうか, ありもしない神話は子々孫々受け継がれてゆく. 私もいつの日か無垢な子供に都合の良すぎる嘘を刷り込む日がくるのかもしれない.
彼は「赤い服」を着用し, 「バカみたいにデカい白い袋」を肩にかけ, 「空を飛ぶトナカイのソリ」に乗り, 「全ての良い子」の「一番欲しいもの」を「クリスマスの朝」に「枕元」の「靴下」に入れておいてくれる.
無垢な共同幻想と無垢なバイアスが信仰を担保する. 私もその輪の一員である.