喜劇 [Good bye quiet city / 桜の官能]

A 「私たちは家族であった.」
 
B 「桜は美しい.」
 
A 「はじめはそうではなかった.」
 
B 「桜は冬を越えてやってくる.」
 
A 「今思えば美しい日々であった」
 
B 「咲き誇る桜は, 人々に忘れ去られた天国を思わせる.」
 
A 「いつからだろうか. 別れを意識したのは.」
 
B 「散りゆく桜は, 私達の心そのものなのだ.」
 
A 「出会いの知覚は, 別れの予言そのものなのかもしれない.」
 
B 「越冬を果たした桜も, 必ず散るのが定めである.」
 
A 「いつぶりだろうか, もの一つない寝室は.」
 
B 「桜の散った木立からはいつも別れのフラクタルを想起する.」
 
俺 ♪ Everybody finds love in the end.
 
A・B 「「ってなんで俺君が!?」」


社会人の道徳・テキスト案 「同意した成人の人生」

としみちは18歳の誕生日を目前にし, 未だ形を変え, うねる暗雲をその胸に抱えていました.

 

としみちの国では, 18歳の誕生日までにたくさんの書類を提出する義務があります. としみちは4月生まれなので, 高校の同級生の誰よりも早くそれを提出する必要があります.
たくさんの書類の中で, としみちはたった1枚の同意書が埋まらずにいました. その同意書は日付と署名を必要とするのみの単純な書類で, 10秒もかからずに完成することでしょう.
しかし, その同意する内容がとしみちにとって非常に重要なのでした.

 

その同意する内容とは,
「〇〇国の国民として生きてゆくこと *正規の手続きで国籍は変更可能」
というものでした.

 

としみちは, 国の法律でそれまで保護対象少年として生活してきましたが, 18歳の誕生日をもって法律上の成人になる必要があります.
それまでに, 教育省の方針で社会見学や犯罪者・精神病罹患者面談のプログラムを履修済みのとしみちは, 同意のためにあと一歩が踏み出せずにいました.

 

としみちの両親はおおらかで, 何も言わずにとしみちを見守ります.
としみちは10歳の時に両親から成人同意の法律を説明されて以来, いくつもの質問や疑念を両親に打ち明けましたが, ここ数年にその話題はとしみちと両親の間に浮上しませんでした.
時々, としみちは両親の言葉の節々に優しさと心配, そして同意に対する認識の甘さを覚えます.

 

としみちの両親は日本からの移住者なので, 移住時に簡便な手続きを済ませたのみで, 成人同意を済ませていません.
しかし, アクティビストの彼らは成人同意に対する理解も深く, としみちの人生を強制しまいと考えていたのでした.
その考え方はいわば成人同意制度に対するマジョリティーの考え方で, 時世にマッチしていると言えるのですが, ただ一点, 経験だけがとしみちの両親には欠落していました.

 

としみちは, 近所に住んでいたまゆこ姉さんの墓に久しぶりに行くことにしました. 中学校の頃は何か思いつめたことがあるとよく来ていたのですが, 最近来ていないことを思い出したのです.

 

まゆこ姉さんはとしみちが子供の頃に町内でよく可愛がってもらっていた人間でした. としみちは, まゆこ姉さんは失恋の後に自殺したと聞いています.
あんなに魅力的で知性に満ち溢れた人がこんなに呆気なく死んでしまったことに, としみちは深く心を痛めました.
としみちはまゆこお姉さんの墓に来るたびに, 「完成された人間などいない」ということを痛感します.
それは, 教育カリキュラムでは学べない, としみちだけの真理でした.

 

としみちは少し昔を思い出し, 泣きました. 涙を風が乾かした頃, 日は暮れており, 空腹を感じました.
としみちは, すでにできているであろう食卓を思い浮かべ, 墓の前の坂を家に向かって下りました.

 

タンポポの官能

花は鮮やかで美しい.
私の最も好きな花は桜だが, 今回に関してはタンポポについて語ろうと思う.


タンポポは春にさく花で, 黄色い. サイズ感もちょうどいい.
白が足りないと思えば, モンシロチョウが来ればいい.
そしていつの間にか半透明でやわらかい綿毛を身に纏い, 宙に溶けて消える.
娘みたいだなって思う. 娘いないけど.


私がタンポポの中で特に魅力を感じるのは, 地中の根の部分である.
ご存知タンポポは双子葉類なので, 根は主根と側根から構成される.
双子葉類は, そのような根の特徴から, 非常に地面から抜き取りやすいことで有名である.


私は, 小中学生の頃に何の気なしにタンポポを抜き取った記憶がある.
タンポポはするりと地面から抜け落ち, 乾いた土を生々しく纏った主根と側根をあらわにした.
主根と側根は今までに見たことがあるが, その時の私は, それまでとは違う何かをタンポポに感じた.


今になって思えば, あれはエロであったのかもしれないと思う.
タンポポは美しい. その外見的な華やかさと根は切り離されて捉えられるように思えるが, 素朴で雄大な根の存在感は, 地上の花弁の華やかさを踏み台にしてより輝くと思う.
私はタンポポを抜き取る時に罪悪感を覚えたようにも記憶している.
タンポポの根は世界一美しいが, 花弁も美しいのは間違いない.
根を観測するためには, タンポポを抜き取り殺すことになる.


タンポポロジック

  花弁 審美
抜く 死ぬ 観測可 完成
抜かない 生きる 観測不可 未完成


反出生主義の論理みたいになっちゃった. (私は現在アンチナタリストではないです)
私は, タンポポの根のエロティシズムは, 美が死ぬからこそ輝くように錯覚する.


P.S. 偉い人曰く, なんかちょっと違うらしいです. 間違い探しをしてみてね.

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@scare_mongering
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Ryo @oryoryoryory 2 days ago

@scare_mongering
もうくんなよ

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Ryo @oryoryoryory 4 days ago

@scare_mongering
しゃーないな

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けんと @tonke1998 3 month ago

@scare_mongering
お前が宇多田ヒカルになれるんなら俺は
今頃Beyonceじゃ

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shoki@GMT+2:00 @dream_baseball 3 month ago

@scare_mongering
木を見て森を水木しげるじゃん

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人力・マサヤ・半年記念日 @eternal_4U 7 month ago

@scare_mongering
女っ気なさすぎてエグのエグw

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たなかなた @tanakanata 1 years ago

@scare_mongering
フォローする人間違えたわ...

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暗黒石☆饅頭 @ishiiiii_black 1 years ago

@scare_mongering @neet1220
おもろ in おもろ de samba

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のものも・デミック

出現

街中に奇怪な物体が突然出現したとして, 聴衆はいろんな角度からそれを視界に納め, 感想を持つだろう.
他の意見を聞き入れるものもあれば, 一方的に話すだけのものもいる.
無視するものもあれば, 黙って心の中に仕舞い込むのみのものもある.
立ち位置を変えながら意見を変えるものもあれば, ひとところに止まって常に同じ意見のものもある.
別の街の住人はそもそもそれを気にも留めないかもしれないし, 別の街だからこその客観的な第三者の意見を持つかもしれない.

 

ある聴衆の場合

「行動すること自体」に失敗はない. 仮にそれが多くの仲間を傷つけてもだ.
私は, 失敗は「行動の内容自体」に帰属するものだと思う.
そもそも, 自他の境界をまたいで「正しさ」を議論するには限界がある.
同じ信念のシンパ間であればあるいは可能なのかもしれない. 
MC漢は「反省はしても後悔だけはしないぜ」と言っていた.
そうは思うものの, 夜から朝まで下らないYoutubeを眺め続けるのだ.
質量を持たぬウイルスもまた存在するのかもしれない.

匿名ラジオ上がり

二次創作というものがある. インターネット愚民の皆様はよくご存じであろう.
ある原作の設定の大部分または一部を流用し, 原作では実現しなかったシチュエーションを実現するという文化, 手法または作品そのものを指す日本語である.

 

二次創作というのは, 原作ありきで存在する. つまり, 消費者は原作の存在, 設定などをある程度把握した上で二次創作を楽しむ. 二次創作が先に来ることはほぼない. 特に, ドラえもんドラゴンボールを始めとする国民的な大作に関して, 原作を知らずに二次創作から入っていく数奇な運命を持った人間はいなかろう. これが私の意見である.

 

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2020年2月, 海外へのインターンシップの最中であった私は, 現地でできた友人とLINEをしていた. 彼は謎に日本語を喋ることができるため, 私は彼に甘えて日本語でやりとりをしていた. 彼は以前, 私に「さくら通信」という最強の日本語のポッドキャストを教えてくれていた. そこで, 私は最強の日本語ポッドキャストである「匿名ラジオ」のうちの, #34「この世で一番かっこいいアルファベットを決めよう!」をリコメンドした. どうやら彼はポッドキャストに困窮していたようであり, その上に「匿名ラジオ #34」もしっかり刺さったようであったため, 「助かった...今みっちゃ探してた、新しい聞くもの (原文ママ)」, 「全部聞きます (原文パパ)」と答えた. 正直, 毒にも薬にもならないクソコンテンツで申し訳ないとも思ったが, 私はなんとなく嬉しかった.

 

私は「匿名ラジオ」のヘビーリスナーで, もちろん現行のものは全部試聴済みであるが, この折にYoutubeの匿名ラジオチャンネルを再度訪れた.
そこにはいくつか再生リストがあり, 【初めての方にオススメ10選!】なる再生リストが目立つ場所に陳列されていた. 彼はきっとこのリストから匿名ラジオに入るのだろうと私は勘ぐった. そのリストのトップを当時飾っていたのは, #75「ちびまる子ちゃんのクラスメートとサバイバルした時の必勝法とは?」であった. 内容は, 題目通りの意味不明な妄言である.

 

ここで当然の疑問が浮上した. 北欧生まれ北欧育ちの彼は「ちびまる子ちゃん」を知っているのであろうか?

 

多分知らない. 絶対知らない. 普通に日本のコンテンツをインターネットでディグっても, 流石にGoogleは「ちびまる子ちゃん」をサジェストしないだろう. 「ちびまる子ちゃん」はそういうのじゃないからだ.

 

仮説の仮説を突き詰めると, 彼の「ちびまる子ちゃん」の体験は, 超絶末端二次創作の「匿名ラジオ#75」から始まることもあり得る. ほぼほぼの確率でそうなる. するとどうなるか.

 

屈折した幻想は虹の彼方にある. 私はそれを知る由もないし, 「責任はとりません」と明言した.